- 2022年改訂
精神看護学II 地域・臨床で活かすケア(改訂第3版)
対象者の力を引き出し支える

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編集
萱間真美 稲垣中
- ISBN
978-4-524-22782-2
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発行年月
2022年1月
- 判型
B5
- ページ数
382
- 定価
本体2,800円 + 税
序文
第3版の刊行にあたり,編集者として稲垣 中先生をお迎えすることができました.
本書は,2019年に故人となられた前任の編集者・野田文隆先生が,精神科医療を地域に展開するうえで,一貫して用いられてきた,「バイオ・サイコ・ソーシャルモデル」を軸にしています.
このモデルは,病気と治療の生物学的理解(バイオ・からだ),当事者や家族の出来事に対する反応(サイコ・こころ),社会・地域・家族や大切な人とのかかわり(ソーシャル・かかわり)という視点から精神障害をもつ人と暮らしを理解し,支援しようとするものです.
今回の改訂では,バイオ・からだの視点と記載をさらに強化し,「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築」を目指した,国の施策と精神保健医療福祉政策との関係,法制度の説明,そして看護職がどのように参加することを期待されているかを学べるように整理しました.
2019年に発生し,現在まで私たちのこころとからだに大きな影響を及ぼしている,新型コロナウイルス感染症の蔓延は,自殺者の動向,メンタルヘルス対策への強い関心・ニーズとも関連しています.近年の大規模災害がもたらしているこころの問題と,自分自身の夢に向かってリカバリーしていくための力であるレジリエンス(回復力),支援モデルとしてのストレングスモデルについても詳しく解説しました.
このような時代に学ぶみなさんは,さまざまな困難を感じてこられたと思います.不利なこと,イメージと異なることも多く経験されたことでしょう.看護師となったとき,私たちが出会う多くの方々も,予想外の健康問題,こんなはずではなかったと思う状況に直面し,それを乗り越えて新しい生活を組み立てる必要性に迫られています.みなさん自身が経験した困難が,人とじっくり話したいと願う気持ち,その中で相手を理解したいと願える気持ちに,つながっていく力になると信じています.
悩みをもつことは,人として当然のことであり,自分で行う工夫と,必要なときは他者に助けを求めることで,新しい自分を獲得することができます.こころの健康への取り組みを身近に感じられる時代に学ぶみなさんに,さらに状況を理解し,当事者とともにリカバリーに向けて取り組むための知識が,看護師として進む道のりを支えることを願い,このテキストを届けます.
2021年10 月
編集者を代表して 萱間真美
主要目次
第Ⅴ章 精神を病む人はどんな状態を示すのか
1.精神症状とは何だろう
2.現症・状態像を理解しよう
第Ⅵ章 対象を理解するための考え方
1.生物学的側面から理解する―脳の構造・機能
2.生物学的側面からアプローチする検査
3.生物学的側面から理解する―精神疾患と診断基準
4.精神看護におけるアセスメントの特徴
5.アセスメントに用いられる主な理論
第Ⅶ章 心理・社会的側面の検査
1.心理学的側面からアプローチする検査
2.社会機能・家族機能を測る尺度
第Ⅷ章 治療・ケア・支援の方法
1.生物学的側面からアプローチする治療・ケア・支援
2.心理学的側面からアプローチする治療・ケア・支援
3.精神看護におけるさまざまな技法
4.社会的側面からアプローチする治療・ケア・支援
5.安全管理(セーフティマネジメント)
第Ⅸ章 事例から学ぶ精神疾患と看護
1.統合失調症
2.気分障害
3.強迫症/強迫性障害
4.パニック症/パニック障害
5.アルコール使用障害(アルコール依存)
6.摂食障害
7.パーソナリティ障害
8.ひきこもり
9.児童虐待