- 2022年改訂
精神看護学I こころの健康と地域包括ケア(改訂第3版)
現代に生きる人々のこころの健康を支える
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編集
萱間真美 稲垣中
- ISBN
978-4-524-22781-5
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発行年月
2022年1月
- 判型
B5
- ページ数
254
- 定価
本体2,400円 + 税
サポート情報
- 2022/10/24「8050問題」についての記述内容補足
序文
第3版の刊行にあたり,編集者として稲垣 中先生をお迎えすることができました.<br>
本書は,2019年に故人となられた前任の編集者・野田文隆先生が,精神科医療を地域に展開するうえで,一貫して用いられてきた,「バイオ・サイコ・ソーシャルモデル」を軸にしています.<br>
このモデルは,病気と治療の生物学的理解(バイオ・からだ),当事者や家族の出来事に対する反応(サイコ・こころ),社会・地域・家族や大切な人とのかかわり(ソーシャル・かかわり)という視点から精神障害をもつ人と暮らしを理解し,支援しようとするものです.<br>
今回の改訂では,バイオ・からだの視点と記載をさらに強化し,「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築」を目指した,国の施策と精神保健医療福祉政策との関係,法制度の説明,そして看護職がどのように参加することを期待されているかを学べるように整理しました.<br>
2019年に発生し,現在まで私たちのこころとからだに大きな影響を及ぼしている,新型コロナウイルス感染症の蔓延は,自殺者の動向,メンタルヘルス対策への強い関心・ニーズとも関連しています.近年の大規模災害がもたらしているこころの問題と,自分自身の夢に向かってリカバリーしていくための力であるレジリエンス(回復力),支援モデルとしてのストレングスモデルについても詳しく解説しました.<br>
このような時代に学ぶみなさんは,さまざまな困難を感じてこられたと思います.不利なこと,イメージと異なることも多く経験されたことでしょう.看護師となったとき,私たちが出会う多くの方々も,予想外の健康問題,こんなはずではなかったと思う状況に直面し,それを乗り越えて新しい生活を組み立てる必要性に迫られています.みなさん自身が経験した困難が,人とじっくり話したいと願う気持ち,その中で相手を理解したいと願える気持ちに,つながっていく力になると信じています.<br>
悩みをもつことは,人として当然のことであり,自分で行う工夫と,必要なときは他者に助けを求めることで,新しい自分を獲得することができます.こころの健康への取り組みを身近に感じられる時代に学ぶみなさんに,さらに状況を理解し,当事者とともにリカバリーに向けて取り組むための知識が,看護師として進む道のりを支えることを願い,このテキストを届けます.<br>
2021年10 月<br>
編集者を代表して 萱間真美<br>
主要目次
第T章 精神看護はどんな活動か <br>
1.こころの健康と必要な支援 <br>
2.現代社会とこころの健康 <br>
3.看護師は何をするのか―精神看護の目標と役割 <br>
4.地域包括ケアと多職種連携 <br>
5.社会とのかかわりを理解する <br>
6.精神医療の歴史的変遷 <br>
7.人権を守るために―精神看護における基本的人権と倫理的配慮 <br>
第U章 精神保健医療福祉と制度 <br>
1.精神保健医療福祉に関係する法と制度 <br>
1-1.精神科医療にかかわる法律 <br>
1-2.精神障害者の福祉にかかわる法律 <br>
1-3.精神保健にかかわる法律 <br>
1-4.社会病理にかかわる法律 <br>
1-5.その他の法律 <br>
2.精神医療福祉の現状と課題 <br>
3.精神の健康に関する普及啓発活動 <br>
第V章 こころの発達と精神保健 <br>
1.こころのなりたち <br>
2.対象関係論からみたこころの発達 <br>
3.発達段階別にみる発達課題と精神の健康 <br>
3-1.発達理論と発達課題 <br>
3-2.周産期の精神の健康 <br>
3-3.乳幼児期から学童期の精神の健康 <br>
3-4.思春期から青年期の精神の健康 <br>
3-5.成人期の精神の健康 <br>
3-6.老年期の精神の健康 <br>
第W章 一般病床における精神看護 <br>
1.事例から学ぶ一般病床での精神看護 <br>
1-1 身体症状症,病気不安症 <br>
1-2 睡眠障害・不眠 <br>
1-3 不 安 <br>
1-4 抑うつ <br>
1-5 怒 り <br>
1-6 拒否・拒絶 <br>
1-7 幻覚妄想 <br>
1-8 せん妄 <br>
1-9 拘禁反応・症状 <br>
1-10 看護師のメンタルヘルス <br>
2.リエゾン精神看護とは <br>